創立二十五周年記念式典の概要
記念式典実行委員長 花 園 勝 政
私達のいずみ郷土研究会は昨年創立二十五周年を迎え、平成24年10月14日、高尾野農村環境改善 センターにおいて記念式典を開催いたしました。
第一部式典には出水市長ほか来賓のご出席を頂き、第二部講演会、第三部演奏会には、350名の地域の皆様がご来場下さり、盛会裡に終わることができました。
一 そもそもの発端
「チョツシモタ、今年ャ二十五周年ジャッター」
平成24年六月、会誌22号の編集会議での、鳥羽瀬会長のこの言葉がすべての発端となりました。二十五周年といえば大きな節目です。編集委員から色々な意見が出されましたが、突然のことですぐにまとまるものではありません。この場では次の三項目が確認されました。
① 会誌22号を「創立二十五周年記念号」とすること。
② 編集委員4人に副会長2人を加えた「実行委員会」を立ち上げること。
③ 花園が式典の「たたき台」を立案し次回プレゼンすること。
二 これまでの記念行事
創立二十五周年を迎えるということは、これまで会誌10号、あるいは創立20周年などの節目を何回か迎えて来ています。会長に尋ねると、「これまで行った周年行事はごく内輪のお祝いであった」とのことでした。
私がこの場で一瞬考えたことは、
① 私達の会の文化活動が二五年間継続されて来たことは、理屈なしに素晴らしいことだ。出水の誇りでも
ある。
② お祝い行事に止まらず、いずみ郷土研究会の今後の発展につながるようなイベントとしたい。との二点で
した。
三 実行委員会をたちあげ
6月28日に第一回実行委員会が開かれ、会長、両副会長、湯田(亨)、片野坂、花園の6人が集まりまし
た。
花園から次の項目について「たたき台」が提案されました。
○開催の目的 ○統一テーマの設定 ○予算
○日程、会場 ○記念式典 ○講演会、演奏会
○広報活動 ○マスコミ対策 ○業務分担
以降会議を重ねて各項目を具体化してゆきました。
一番基本となる開催の目的については皆で意見を交わし、
①いずみ郷土研究会の25年の活動を、行政や地域の皆様に広くご理解頂くこと。
②活動を支援して頂いている協賛会員はじめ各方面の皆様に感謝すること。この二点を互いに確認いたしました。
いずみ郷土研究会の歴史から見れば、会員以外の地域の皆様に呼びかけて行動する初の試みということになります。
さらに式典を三部構成とすることから、統一テーマとして
「次の世代にふるさといずみを語り継ごう!」を掲げることが了承されました。
四 式 典
第一部はセレモニーとしての式典です。会員には家族ともども出席を呼びかけました。つぎに、式典は協賛会員の皆様に感謝申し上げる機会でもあり、全83名(社)の協賛会員に出席をお願いしました。
さらに、私たちの活動は毎年出水市の助成をいただいていることから、市長、教育長などの皆様を来賓としてお招きすることとしました。当日の式次第は次の通りです。
一 開 式
一 会長挨拶 会 長 鳥羽瀬豊志
一 祝 辞 出水市長 渋谷俊彦様
教 育 長 溝口省三様
協賛会員代表 北園久紀様
一 来賓、協賛会員様紹介
一 いずみ郷土研究会役員紹介
一 閉 式
会長が挨拶で紹介された発足当時の苦労話は、南日本新聞に掲載(後掲)され共感を呼びました。市長、教育長からは、出水の誇りであり永続を願うとの言葉をいただきました。北園様の祝辞は心に残る暖かいものでした。
五 講演会と演奏会
地域の皆様に多数ご来場頂くには、魅力的なイベントが不可欠です。講演会と演奏会の二つを企画しました。これにより、幅広い年代の皆様に来場頂けるものと考えました。
(一)講演会
熊本在住の作家で西南戦争の研究家でもある、勇知之様にお願いすることにしました。勇様を選んだきっかけは二つあります。その一つは、いずみ郷土研究会の数年前の研修旅行で田原坂を訪れた際、石碑に刻まれた郷土の戦死者に一同手を合わせたことがあったからです。もう一つは、西南戦争を語るとき、薩摩と肥後では微妙な温度差があり、これが氏の講演で体感できれば面白いと考えたからです。勇様は快く引き受けて下さいました。
(二)演奏会
比較的年配者の多い記念式典で、ジャズは如何なものかとの声は早くから耳にしていました。しかし、この記念式典で何か新しい文化を発信したいと考え、ジャズギタリストの中牟礼貞則、礒繁様の演奏会を企画しました。中牟礼様は一般的な知名度はともかく、ジャズ界ではこの道60年の高名な方です。市内高尾野町ご出身であることも大きな要因となりました。中牟礼様は地元での演奏会にたいそう喜ばれ、ご家族ともどもお見えになったことを紹介しておきます。演奏会はチャリティー形式で進め、皆様からお寄せ頂いた浄財は出水市社会福祉協議会に全額をお届けしました。
六 まとめ
(一)皆様のご協力
当日は三十余名の皆様のご協力により滞りなく進行し、終了することが出来ました。会員のほか非会員の方にもご協力いただきました。この場を借りて改めてお礼申し上げます。
(二)会誌販売
会場で会誌「いずみ郷土研究」の創刊号から第22号までを販売したところ、65部が売れました。これは予想をはるかに上回るもので、私たちの活動に対する皆様の関心の高さを実感しました。
(三)勇氏著書販売
勇氏の依頼により、著書40部を会場で販売しました。委託した金海堂の話では、この種の販売率は来場者の5%だそうです。15部を想定のところ販売実績は36部でした。
(四)来場者は350名
来場者総数は350名となりました。当日は出水、阿久根などで秋の催しと重なり、農家にとって稲刈りが始まるタイミングでしたが、予想以上の好結果となりました。この中から5名の新規入会がありました。
こうして創立二十五周年記念式典は終了しました。このことはすべて鳥羽瀬会長はじめ先輩諸氏が、創立当初から積み重ねてこられた努力の賜物に他なりません。この先三〇周年、四〇周年を乗り越えるのは、現在の会員である私たちに課せられたテーマではないでしょうか。 (一部敬称略)