平成24年12月26日
【 講演会 】 演 題 「出水市迫田遺跡出土土器と
出水市内の主な遺跡~発掘調査を中心に~」
講 師 出水市生涯学習課 岩崎 新輔 氏
◎ 柴引迫田遺跡(松崎一二邸内)出土の古墳時代土器 について
☆ 土器は古墳時代のもので、南九州に特徴的な成川式土器である。
(指宿市山川町成川)
☆ およそ1,500年前のものである。
☆ 大型の脚台付甕土器と手づくね土器(ミニチュア土器)の、種類の違う
土器が一緒に出土した。
☆ 脚台付甕とミニチュア土器が、入子状態で、全ての土器が同一方向を向
いて倒れていた。
☆ 周辺部には住居跡などは確認できなかったが、住居内での収納が考えられる。
☆ 出土した土器は、市教育委員会に預けられ、現在収蔵施設 に保管してあり、見学は可能。
◎上場遺跡の価値
☆ 南九州で最初に発掘調査が行われた遺跡として、学史的価値が高い。
☆ 旧石器時代から、縄文時代草創期、縄文時代早期へと繋がる文化が行われた遺跡として、
学史的価値が高い。
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☆ 細石器に爪形文土器が共伴するという長崎県福井洞穴遺跡と同様な、縄文時代草創期文化
の様相が確認された。
☆ 旧石器文化の中でも、ナイフ形石器文化と細石器文化の二つに大別される層位的 上下関係
が確認された。
☆ 中でも、ナイフ形石器などの刃器文化と、掻器などの刃器以前の文化が存在することが
確認された。
☆ 黒曜石原産地を含め、周辺遺跡の調査が行われ、上場高原一帯の旧石器文化の様相が
明らかになってきた。